空が白くてさ
ipodの中身を人に見られることは、わたしにとって心の中を覗かれるのに近い。自分の本棚を見られるのも、それに似てる。持っている音源のすべてをipodに入れている人もいるだろうけど、わたしはその時の気分で聞きたいものだけをipodに入れる。だから、衣替えみたいに中身をぐるっと入れ替えることがある。今はこういう気分だから、と思って入れた音楽も、実際に移動中に聞いたりするとピンと来なかったりもする。逆に、入れたけど飛ばしてばかりでほとんど聞かない曲が、なぜか突然気持ちにヒットしてパワープレイになったり。若かった頃は、いろんな音楽に挑戦したり、流行りの曲を聞いたりしたけど今はそんなこともなくなった。
はなさんが亡くなったことはテレビのニュースで知っていた。羊毛とおはな、の名前は知っていたけど、曲を聞くようになったのは最近。原田郁子ちゃんとおなじ、やわらかくてつよく、やさしい匂いがする。
音楽はわたしの毎日に寄り添ってくれるけど、ときどき、どんな音楽も届かなくなる。そんなときは、波の音や雨の音、雑踏の音、海中音を聞いてる。自然音を選んで聞こうとして、自分の状態を知ったりして。
ipodの中身を入れ替えると、いつもの景色が違って感じたりするから不思議。日常を旅するように暮らす。お気に入りの音楽を携えて。
