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まいにちをめぐる、いろんなこと。

一番やりたかったこと

 本当は、最近読んだ本、聴いた音楽、観たDVDをさらっと記録しておきたかったんだけど、あまりにも木皿さんのDVDブックがツボにはいったので、気持ちを残しておきたい。

木皿泉〜しあわせのカタチ〜DVDブック

木皿泉〜しあわせのカタチ〜DVDブック

 

 2011年にNHK BSプレミアムで放送され たドキュメンタリー番組『しあわせのカタチ~脚本家・木皿泉 創作の“世界”~』と特典映像。ドキュメンタリーには木皿さんと、プロデューサーの副音声が入っていて、それに薄めの(笑)小冊子がセットになっているもの。

ドキュメンタリーは、録画して何十回みたか数えられないくらい、繰り返し観ているんだけど、DVDの映像は再録だし、購入するかどうかは正直迷った。でも4年後のお二人の特典映像もみたかったので、思い切って買ったんだけど。

買って良かったー!4年後の映像にも笑ったけれど(4年前には、木皿家にはなかったエアコンと掃除機があったり、新しいおもちゃが増えていたり)、副音声も楽しかった。副音声で「この後すぐ、原稿あんまり書いてないのに、前借りお願いした」とか言ってて、エアコンはやっぱりお金がなくて買えなかったんだね、とか(笑)

付属の本、スペシャルブックにはあまり期待していなかったんだけど、これが大ヒットで。いくつか琴線に触れるポイントがあった。最初にこの企画を作った若者が、撮影中に辞めてしまったことを二人はとても気にしていて、ドキュメンタリーの中にもその話は数回出ていたと記憶してる。本の中に、その彼に向けたコラムがあって、それを読んでいたら胸が詰まって・・・。

そして、本編にもあった妻鹿さん(木皿さんの女性のほう)の闘病日記。本編では妻鹿さんの手書きの日記が映像で少し映っていて、わたし、いやらしいけど、録画で停止してその日記のページは隅々まで読んでる。それがすべての日記が文字おこしされて収録されていて。努さん(木皿さんの男性のほう)が倒れたときの、妻鹿さんの気持ち、事の経緯が記されていて、これも読んでいて涙が出た。

幸せというのは、欲望をかなえるためにあるのではない。本当の自分の欲望がわかった時、たとえそれがかなえられなくても、はっきりと自分の前にあらわれた時、人は幸せになれるのだと思う。わたしはトムちゃんとどんな形であれ、また一緒に暮らしたい。そして一緒に仕事をしたい。わたしにとって人生は、それだけだ。それが一番やりたかったことだ。

 この部分、すごくよくわかった。わたしも自分の人生でやりたことは「夫と暮らすこと」だけだ。人生の目的が「夫と暮らすこと」だけではちょっとしょぼいのではないか、もっと高尚な(どういうのが高尚なのか、わからないけど)目的が必要なんじゃないかって、うっすら思っていたわたしは、すごく救われた。

同時に、死ぬまでずっと気を抜かず丁寧に、この退屈な毎日を、素晴らしい毎日を過ごしていこうと、少しだけ覚悟が出来た気がする。

スペシャルブックはまだ途中なので、少しずつ大事に読みたい。